本日はNetflixで配信中の「ゲット・アウト」をご紹介いたします。
この映画、時間は1時間40分程度と短いのですが細かい伏線がめちゃくちゃあってそれを調べるのも大変でした(笑)
おススメ度は
★★★…時間があれば観て損は無し!
価格:1,100円 |
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どんな映画なの?
まず、この映画は監督・脚本をジョーダン・ピールが担当しています、この人はアメリカのコメディアンなんですけど、最近は映画「Us/アス」も大ヒットしたので映画監督のイメージが強いかもしれませんね。
タイトル | ゲット・アウト |
原題 | Get Out |
製作年 | 2017年 |
製作国 | アメリカ |
監督 | ジョーダン・ピール |
どんな映画かというと、簡単に言ってしまえばアメリカにおける白人と黒人の差別問題を主題としたホラー映画です。そのため、日本人にはなかなかわかりづらい伏線がいくつもあってちゃんと観てないと単なるホラー映画で終わってしまうという危険性が!(まあそれでも面白いですが)
出演者の中で個人的におススメしたいのでが、ローズの弟役で出演していたケイレブ・ランドリー・ジョーンズですね。
この人どこかで観たな~って思ったら、デヴィッド・クローネンバーグの息子のブランドン・クローネンバーグの初監督映画「アンチヴァイラル」の主人公じゃないですか。この作品も佳作ながらおススメですよ。
どんなストーリーなの?
クリス・ワシントン(ダニエル・カルーヤ)は写真家の黒人男性で恋人である白人の彼女ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に挨拶に行くことになるんです。
ローズはクリスが黒人である事を両親には言っていなかったが、両親は差別をするような人では無くオバマ大統領が3期目を務める事があったのなら投票していたと言って、緊張するクリスを宥めるんですね。
ローズが運転する車が実家へ向かう途中、急に鹿が飛び出してきて車で撥ねてしまうんです。(これも伏線なんですね)
その後、ローズの実家に着くと両親であるディーン(ブラッドリー・ウィットフォード)とミッシー(キャサリン・キーナー)が暖かく彼を迎えてくれ、夕食ではローズの弟ジェレミー(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)とも夕食を共にするが、どこか過剰に暖かく接するローズの家族に違和感を覚えるクリス。
タバコを吸うというクリスに対して、ミッシーは自分が精神科医で催眠術を施す事でタバコを止められるとクリスに話すのだか、クリスは催眠術をかけられるのは怖くてその申し出を断るんです。
夜中になって何故か眠れずにタバコを吸いに外に出るクリス、そうすると森から全速力で走ってくる黒人の男が、それは家の使用人のウォルター(マーカス・ヘンダーソン)だった。また、家の2階では黒人の家政婦のジョージナが窓に映る自分を見てうっとりしていた。この2人のおかしな行動が怖くなりクリスは家に戻るのだか、リヴィングにはミッシーがいて、「少し話をしましょう」と。。。。そこで彼は知らない間に催眠術にかかってしまうのだった。
予告編はこちら
幾重にも張り巡らされた伏線の数々 ネタバレアリ
この映画の最大の見どころ?は伏線というか細かいネタが多い事ですね。
ストーリーの解説のところでも書きましたが、ローズの実家に行く途中で「鹿」を撥ねるシーンがあるんですけど、何故「鹿」なのか。疑問に思って調べてみると出てきました「鹿」の中でもブラック・バックという種類の鹿を轢くんですが「白人女性を襲う」という黒人に対するスラングなんですね。(こりゃ観てるだけじゃわからないよ。)
その他にもKKKを匂わせるようなシーンがいくつもあるんです。白人至上主義に関して日本人はほとんどわからないですよね。
ラストシーン間近にクリスが車に乗って逃げるシーンがあるんですが、その車が「真っ白」だったり助手席にKKKの象徴とされる「鉄仮面」がおいてあったり…(昔KKKについて勉強していてやっと少しわかった感じです)この鉄仮面は映画の冒頭の黒人を誘拐する犯人も被っていたものですね。
一番わかりやすいのはクリスが囚われているシーンで椅子の綻びから綿が出ているのを見つけてそれ摘まみとって耳に入れて催眠術の音から逃れるというシーンがあるんですけど、この「綿」というのも「摘まみ取る」というも黒人が奴隷として綿摘みの過酷な重労働を強いられていた歴史と結びついてくるんですね~。
スマホのフラッシュを黒人に浴びせると一瞬我に返るというシーンがあるんですけど、これも過去に白人警察官が黒人を集団暴行しているのをフラッシュをたいて撮影されたのが元ネタでしょうか?
ミッシーが催眠術で使うティーカップを銀のスプーンで混ぜるのも「スプーン」は貴族の象徴だったり、ローズが自分の部屋でミルクを飲みながらお菓子を食べているシーンもミルクには「黒いストロー」が刺さっていたり、写真家としての彼の家の飾ってある写真が「白黒」だったり、その写真の中に「白人の少女が黒いお面」を被っていたり、細かなネタで黒人と白人は相容れないという事を示唆しているんです…
極めつけはマイケル・エイブルスによるサウンドトラックと使用された楽曲!
サントラの方はブルース色が強く黒人音楽を随所に散りばめた秀逸なサントラです。
また、冒頭の黒人誘拐のシーンで車から流れている曲は「Run Rabbit Run」という曲で農場での農夫の歌なんですね。農夫が銃で狙っているぞ!という、この映画では黒人を「ウサギ」と比喩表現しているのでしょう。
また、チャイルディッシュ・ガンビーノの「Redbone」も冒頭で流れますが、これまたこの人自体が「This Is America」で痛烈にアメリカの人種差別問題を表現している人です。このPVはけっこうショッキングなのでご注意ください。
劇中で使われた「Redbone」も歌詞を和訳してみると、映画とマッチングしているのが、わかりますよ。
ざっくり言うと「黒人としての自分から目を背けてはだめだ」といったような歌詞ですかね。
「Redbone」というのも赤毛のハーフの女性の事を言っているようです。
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ネタバレと感想
ほとんど先ほどネタバレしてしまいましたが、ローズもクリスを嵌めるための一人だったんですね。
家族ぐるみで黒人を誘拐してその魅力的な身体能力を脳手術で白人の脳みそから移し替えるというマッドサイエンティストな事をやっていたという。ウォルターはおじいちゃんで、ジョージナはおばあちゃんだったというオチ。クリスは何とか自力で家を抜け出して車で逃げるんですが、ジョージナを撥ねた事が過去に自分が母親が撥ねられたのに何もしなかったというトラウマを思い出して、車に乗せちゃう。ジョージナ起きたらおばあちゃんの本性表して「よくも私の家族をめちゃくちゃにしやがって~!!」てな具合でクリスに襲い掛かり車が木にぶつかっちゃうんですね~。ジョージナはその衝撃で死ぬんですけど、クリスはそこから這い出る、そうすると今度はウォルターがクリスにタックル。後ろからは銃を持ったローズが。。
ウォルターとクリスがもみ合っている時にクリスがスマホのフラッシュで撮影するんです、その後、ウォルターがローズから銃を受け取りクリスに向けるんですがその瞬間、正気に戻ってローズを撃って自分も自殺しちゃいます。
あ~助かったと思ったらまだローズ生きてるし。。。
ローズの首を絞めるクリスですが、元恋人だけにできない…
そんな時に親友のロッド(リル・レル・ハウリー)がやっと到着。
無事に助かってハッピーエンド?という感じでしたね。DVDではもう一つのエンディング(警察に捕まるパターン)も入っているみたいですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました、 うろたん (@urotan51131875) でした。
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