本日は邦画「37セカンズ」をご紹介します。もう素晴らしいの一言です。
おススメ度は
★★★★…是非観てください!
邦画だって世界に負けてはいない!というのを見せつけられた作品です。
どんな映画なの?
この映画を邦画という括りで縛っていいものか悩むところですが(日米の合作なんですよね実は)、新進気鋭の監督HIKARIの長編デビュー作というからこれまたすごい、デビュー作でこんな映画撮れるなんて天才かね?
HIKARI監督はロサンゼルスを拠点にWME Entartainmentっていうアメリカの大手事務所に所属しているとの事…あのJJ・エイブラムスやクエンティン・タランティーノ、そしてクリント・イーストウッドも所属してる事務所ですよ。なんてすごいところに所属しているんですか…
そんなHIKARI監督の長編デビュー作は第69回ベルリン国際映画祭でパノラマ部門で観客賞とCICAEアートシネマ賞を受賞しちゃってます。
概要はこちら
タイトル | 37セカンズ |
原題 | 37 Seconds |
製作国 | 日本、アメリカ合作 |
製作年 | 2019年 |
上映時間 | 115分 |
予告編はこちらです。
映画としてはロードムービーなんですよ、「母を訪ねて三千里」じゃないけど「家族を訪ねてタイまで」ですかね。
脳性麻痺により身体が不自由な主人公の貴田ユマ役に一般公募で1000人の中から選ばれた佳山明が映画デビュー作品として出演しています。彼女は自身も脳性麻痺で身体が不自由であり映画の中でリアリティーある演技を見せてくれます。体が不自由な事による結構生々しい描写もあって、佳山明がまさに体を張ってぶつかった演技といえるでしょう。
どんなストーリーなの?
貴田ユマ(佳山明)は生まれてくるときに37秒間息ができなかった事により脳性麻痺になり、23歳の現在まで身体が不自由な事により母親である貴田恭子(神野三鈴)に過保護なまでの介護を受ける生活を送っているんです。漫画家として生計を立てているが、実際は人気漫画家SAYAKA(荻原みのり)のゴーストライターとして「彼は猫アレルギー」という作品を名前を出さずに漫画を描き続ける日々を送ります。
そんな生活に疑問を感じたユマは自分で書いた漫画をポルノ漫画雑誌「Weekly BOOM」へ売り込みに行くのですが、編集者の藤本(板谷由夏)はセックス経験が無いユマの漫画にリアリティーが欠けていると助言をします。ユマはその言葉に突き動かされ、「行動」を始めるんですね。
しかし、何人もの男性とデートはするのですが男性は「障碍者」としてユマを見ます。デートにもすっぽかされて自暴自棄になったユマは歌舞伎町の女性用風俗を利用するのですが、身体が不自由なためにここでもうまくいきません。
ホテルを出て壊れたエレベーターの前で人を呼ぼうと探していると、車いすに乗ったクマ(熊篠慶彦)と風俗嬢の舞(渡辺真起子)に出会い、新しい世界を知って行くことになる…
一人の女性が自立していく姿を撮ったロードムービー!
映画を通して、貴田ユマ(佳山明)が一人の女性として自立していく過程を映し出してくれます。最初の方のシーンと最後のシーンでは彼女の表情が全然違う事に驚かされました。演技とはいえ、こんなにも表情が明るい顔ができるんだと思うほどに素敵な顔を見せてくれます。
また、冒頭の恭子(神野三鈴)と一緒にお風呂に入っているシーンでは母親によって支配されている娘という構図をうまく表現しているなぁと感じました。
障害を持っているというハンデを包み隠さずに演出したHIKARI監督の手腕も見事です。
自分ひとりでは服も着替えられず、お風呂にも入れないユマを説明するシーンは胸が苦しくなる思いです。
自分の父親を探す旅に出るユマが最後、タイから恭子の待つ家に帰るんですが、そのシーンがけっこうグッとくるものがあります、精神的に自立したユマを見る恭子。子供を持つ親だと親目線で観てしまうので泣きそうになっちゃいますよ。ほんと。
CHAIによる主題歌「N.E.O.」とアスカ・マツミヤによる音楽が彩りを加えている
やっぱり音楽の話になっちゃうのですが、この作品の主題歌(挿入歌とエンディングテーマ)がとても秀逸で貴田ユマが自立に向けて動き出すシーンにCHAIが音で彩りを加えてくれます。
価格:2,395円 |
またアスカ・マツミヤによる音楽もとても透明感のあり空気のように映像にフィットしています。
DVD発売日や配信はいつなのか?
現在劇場公開中のなので、映画館で観ていただくのが一番早く観る事ができるのですがDVDや配信まで待つという方は、おそらく夏ごろ7月辺りでは無いかと推測されます。
配信では日本以外はNetflixですでに配信されているようなので、日本でもNetflixで観ることができる可能性が高いです…、ただ、NHK、NHKエンタープライズが共同制作に入っているので、もしかしたら日本だけNHKオンデマンドでしか観ることができないなんて事にもなるかもです。
最後まで読んでいただきありがとうございました、 うろたん (@urotan51131875) でした。
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