「告発の行方」はアメリカでも社会問題になっているレイプ事件というショッキングなテーマを扱った作品で、1983年に実際に起こった事件をモデルに制作されました。
本作品は事件の被害者と加害者だけではなく、周りにいた人々の責任にも焦点があてられ、更にはレイプ事件に潜む格差社会などの問題もあぶり出されています。
監督はジョナサン・カプラン。
レイプ犯たちに立ち向かう被害者の女性を女優でもあり映画監督としてのキャリアもある、「羊たちの沈黙」のジョディ・フォスターが、女性検事補を「トップガン」、「目撃者」のケリー・マクギリスが演じました。
この作品での体当たりな演技を高く評価されたジョディ・フォスターは第61回アカデミー賞主演女優賞を受賞しました。
映画「告発の行方」あらすじ
ワシントン州のとあるバーで女性がレイプされているとの通報が警察に入ります。
バーから走り出て来て、近くを通った車に助けを求める女性。
被害者はサラ・トバイアス、23歳。
彼女は病院で検査をうけ、地方検事補のキャサリン・マーフィーと事件を担当する警官のダンカンと対面。
サラが警察と共にバーに戻ると、サラをレイプした3人のうち2人の男、カートとダニーがまだバーにいました。
まもなく警察は3人目の男、大学生のボブも逮捕。
しかし3人はそれぞれ1万ドルの保釈金で保釈となります。
サラの事件を担当するキャサリンはサラ本人からも目撃者達からも話を聞きましたが、サラにとって有利になるような情報が出てきません。
サラはウエイトレスとして働き、トレーラーハウスで、薬物の売買をしている自称ミュージシャンのボーイフレンドと一緒に住んでいて、社会的地位も低い立場。更に彼女には薬物所持の記録もあることを知るキャサリン。
事件の夜のサラは、かなりの量の酒を飲んでいたこと、露出が多い服装だったこと、サラが男達を誘うような振る舞いをしていたこと、こうしたことからサラにも問題があったのでは?と考えられてしまいます。
それでも、サラはそれを否定し自分をレイプした男たちは報いを受けるべきだと主張。
サラ側にとって状況は不利だと感じたキャサリンは、加害者の弁護士と司法取引をするのが無難だと判断します。
その結果、加害者たちは仮釈放もあり得る過失傷害の罪となり、サラが願っていたよりも軽い罪で決着がつきます。
そのニュースを知り、納得がいかないサラはキャサリンの自宅に押しかけ激怒します。
予告編はこちら。
映画「告発の行方」ラストネタバレは?
後日、サラは外出先で、レイプを煽っていた野次馬のひとりクリフに出くわしてしまいます。彼は事件の夜のことを持ち出しサラに絡んできました。
車で去ろうとするサラを邪魔するようにクリフは自分のピックアップトラックで行く手を塞ぎます。怒りが爆発したサラは彼のトラックに自分の車で体当たり。ふたりとも怪我を負ってしまいました。
病院のベットに横たわり、あなたは私の味方だと思っていたのに、私の味方だって言ったのに、、、と話すサラを見たキャサリンは、サラがどれほどこの事件で傷ついているか理解しました。
そして、サラにこの事件を立証するという選択肢も与えずに司法取引をしてしまったことを後悔し、もう一度サラのために立ち上がる決心をします。
まず、この事件を側で見ながら囃し立て、レイプを煽っていた野次馬達を起訴することに。
彼らを有罪にできれば、今回の事件は正式にレイプ事件として記録され、レイプ加害者達も5年は刑務所に入ることになります。
サラは、事件の日にバーで働いていた友人サリーの協力も得て、レイプを煽っていたとみられる男たち3人を特定しました。
そして裁判が始まります。
サラはあの日の夜にバーで自分の身に何が起こったのか、詳しく法廷で語りました。
しかし、サラは誰が手を叩き囃し立てていたのか、自分の置かれていた状況下で、それをはっきりと見たとは立証できずに終わります。
また彼女が周囲に助けを求めていた、抵抗していたと証明することもままならず、窮地にたたされました。
しかし、キャサリンが事件の夜に警察に通報をした大学生のケン・ジョイスの存在を突き止めます。
見物人たちには罪は無いと思っているケンは、加害者の1人ボブの親友でもあることから協力を渋ります。
それでも、警察に通報した際の通話記録の存在をキャサリンに持ち出され、仕方なく証言台に立つことに。
ケンはあの夜、自分が見たもの全てを法廷で話しました。この証言で裁判は大きく動き出します。
レイプを囃し立てていた野次馬たちは直接レイプには関わっていなくとも、加害者たちを煽る行為は犯罪とみなされ、有罪判決を受けました。
こうしてサラとキャサリンは勝利を勝ち取ったのです。
映画「告発の行方」最後までのストーリー考察!
映画の冒頭、観客はサラに何が起こったのか、このレイプ事件のシーンは見せられず、映画の後半に事件のショッキングな一部始終が明かされる構成になっていて、最後の最後まで引き込まれます。
この映画はレイプ問題だけではなく、社会的地位や性別による差別、被害者が直面するトラウマなども描いています。
レイプ事件が題材なので娯楽映画とは言えませんが、法廷ものならではの、やっぱり正義が勝つというすっきり感が味わえる作品になっています。
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1980年代映画はこちらの記事でも紹介をしているので併せてご覧ください。
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