今でこそ男性も積極的に育児に参加する「イクメン」が増えているようですが、それでもまだ男性が仕事、女性が家事・育児という考えの人たちもいます。
家はそれで家庭円満と思っているのは実は夫だけで、妻から突然離婚を切り出されてビックリ!寝耳に水なんてパターンも。
これは怖いよね!
まさにそのパターンで話が始まる「クレイマー・クレイマー」。
映画「クレイマー、クレイマー」タイトルの意味は?あらすじ考察やラストネタバレ解説!
映画「クレイマー、クレイマー」タイトルの意味は?
原題は「クレイマー対クレイマー」。
クレイマーは名字で、クレイマー同士の争い、離婚をするにあたって子供の親権を巡り、父親と母親が争うということを意味しています。
監督はロバート・ベントン、主演は「トッツィー」や「レインマン」のダスティン・ホフマン、彼の妻役は「マンマ・ミーア!」、「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープです。
本作品は第52回アカデミー賞で作品賞、ホフマンの主演男優賞、ストリープの助演女優賞を含め5部門を受賞しました。
映画「クレイマー、クレイマー」あらすじ考察
ニューヨークに住むカップル、テッド・クレイマーとジョアンナ・クレイマー。
テッドは出世を目指して仕事ひとすじ、家事と育児は全て妻のジョアンナに任せきりでした。
ある日テッドが仕事から帰ってくると、ジョアンナから私は家を出て行くと告げられます。
さらには一人息子で5歳のビリーもテッドの元に置いていくと言います。
初めは冗談だと思ったテッドは、ジョアンナが真剣だと悟ると慌てて彼女をなだめようとしますが、ジョアンナの意思は固く、彼女を止めることはできませんでした。
こうしてテッドとビリー二人だけの生活が始まりました。
ジョアンナが家を出て最初の朝。テッドがビリーに朝食に何を食べたいかと聞くと、フレンチトーストをリクエスト。何となく材料や作り方は分かっても、手際も悪く、やっとの思いで作ったフレントーストは失敗。
仕事をしながら、一人ですべてをやらなくてはなりませんが、これまで家のことも息子のことも全てジョアンナに任せきりだったテッドは悪戦苦闘。
ビリーはビリーで母親が恋しいのと、今までのようにはかまってもらえないのとで、駄々をこねたり、言うこと聞かず、テッドはつい声を荒げてしまいます。
それでもテッドは少しずつ、家事、育児が出来るようになっていきました。
近所に住むジョアンナの友人だったシングルマザーのマーガレットとも同じ境遇のために意気投合。
ある日、マーガレットと一緒に子供を公園で遊ばせている時、ビリーがジャングルジムから落ちてしまい、顔に何針も縫う大怪我をしてしまいました。
テッドは治療中も痛がって泣いているビリーの傍らにずっと付き添います。
様々な苦労を二人で乗り越え、親子の絆も、テッドの親としての自覚も強まりました。
二人だけの生活も1年以上が過ぎた頃、カリフォルニアに住んでいるジョアンナはビリーの親権を求めてきました。
今のテッドにとって、ビリーはかけがえのない存在。1度はビリーを残して去ったジョアンナにそう簡単に親権を渡すことなどできません。
テッドとジョアンナの親権争いが始まります。
しかし、育児に気を取られ、以前の様に仕事に打ち込めないテッドは職を失ってしまいます。
無職になってしまっては親権争いはジョアンナの方が有利に。
慌てて職探し。ある会社に半ば強引に採用して貰いましたが、お給料は以前よりも減ってしまいました。
逆に新しくキャリアをスタートさせ、軌道に乗ったジョアンナの方がテッドよりも稼ぎが多く、テッドの立場は不利になります。
公聴会は双方の弁護士のもと、親権を獲得すべく、不本意ながらもお互いを傷つけ合うような展開に。
予告編はこちら。
ブルーレイはAmazonや楽天市場で購入ができます。
35周年記念アニバーサリーエディションも販売しています。
映画「クレイマー、クレイマー」ラストネタバレ解説!
結局は小さい子供には母親の方が必要だという結論が下され、ジョアンナが親権を得ました。
ビリーと二人で築き上げた生活が終わりを迎えようとしています。
ビリーがカリフォルニアに行く日の朝。
ジョアンナが家を出て行った後、ビリーのために初めて作って失敗をしたフレンチトーストをふたりで一緒に作りました。
ジョアンナがビリーを迎えに来るのを待っていると、インターフォンが鳴ります。
テッドひとりでアパートメントの下に降りて来てくれるように頼むジョアンナ。
テッドが階下に降りて行くと、ジョアンナはビリーを自分と一緒にカリフォルニアに連れて行くのはよくない、ここが彼の家だから、ビリーのためを思うと彼はここであなたと暮らす方が良いと話します。
ジョアンナが大切な我が子のために下した辛い決断。
抱き合うテッドとジョアンナ。
上でビリーと話をしても良いかと聞かれたテッドは、ジョアンナと一緒にエレベーターに向かいますが、ジョアンナとビリーの2人だけで話をした方が良いと考え、テッドはジョアンナだけをエレベーターに乗せ彼女を見送りました。
「クレイマー・クレイマー」は父親と母親、クレイマー同士の親権争い。
その渦中に置かれ、両親の離婚に翻弄されていく幼い息子を描いた作品です。
しかし、本作は醜い親権争いにだけ焦点を当てた作品ではありません。
仕事と出世だけを考えて邁進していた男性が、妻から突然別居を告げられ、慣れない家事、育児に振り回されながらも仕事よりも大切なものに気がつく。
家族とは何か、夫婦とは何か、夫(男)の役割、妻(女)の役割とは?
そんなことも考えさせられる作品です。
まさに名作だね!
1980年代映画はこちらでも紹介をしているので併せてご覧ください。
コメントを残す