今回は新型コロナウイスの影響で再注目をしている本「ペスト」に関してご紹介します。
カミュの書いた小説なのですが、これは新型コロナウイルスの予言の書なのでしょうか?
そして家にいて、本屋まで買いに行けない今でこそKindleを使って読める方法を紹介します。
「ペスト」のネタバレ徹底解説をするので、もし本を読むのが苦手でも内容がわかるようにご説明いたします!
カミュ作「ペスト」はコロナウィルス の予言書?
今、新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるいとてつもない騒動になっております。拡散防止のために経済活動が停滞しており、感染症だけでなく失業や貧困への不安に世界中が晒されているのです。
この特殊な状況で人間はどうなるのか、どう動くのか。
政府はどう対処するのか。
50年以上前に想像し、克明に描いた作家がいました。
そう、今話題の小説カミュ作「ペスト」は伝染病が流行った街での人々の営みをかなりリアルに描いた作品なのです。
この「ペスト」という作品、単なる作者の想像にはとどまりません。
最初のペスト発症者が出てから感染が始まり、政府が事態の深刻さを理解するまでの流れが、現在のコロナウイルスへの対応とよく似ています。
カミュがいかに鋭い観察力によって人間を見ていたのかがわかるような気がします。
鋭い観察による考証は時に予言としか言えないほどの的中を見せます。
さらに「ペスト」では今世界が晒されている段階の先、深刻化し収束するまでも描かれています。
もしかしたらこの作品を読めばこれからの情勢を予測できるかもしれません。
今回は「ペスト」について紹介していきます。
自宅に篭っていてもKindleなら購入可能!
とはいってもこの作品、フランスの近代文学で名前だけは知っているけど読んだことないという方が多いと思います。
またこの情勢ですから閉まっている本屋さんも多く、「『ペスト』読みたいけど読めない!!」という方も多いでしょう。
そんな皆さん、これを期に電子書籍の購入を考えてみてはいかがでしょう。
Amazonが提供しているアプリ「Kindle」であれば自宅にいながら世界中の本を電子書籍で手に入れることができます。売り切れの心配もなし、店舗へ行く必要もなし、秒で本を手に入れて読むことができるのです。
また外出先に何百冊分もの本を持ち出すことも可能。
何よりわからない言葉の意味や難読漢字を指でちょっとなぞるだけですぐに調べられるのが便利です。本にインターネットという最強の電子辞書がくっついているようなものですからね。
ちなみに アプリをダウンロードしたばかりの設定で使っていると、白地に黒い文字を長時間読むことになり目に負担がかかります。
色の反転機能を使って黒地に白い文字の表示で読むのがおすすめです。
この外出自粛期間は自宅に篭ってインプットするのに非常にいい機会です。
是非 Kindleを使って世界中の本を読み、興味や見識を広げていきましょう!!
Kindle版「ペスト」
カミュ作「ペスト」あらすじ
アルジェリアのオラン市で、ある朝ネズミの死体が大量発生する。正体不明の現象に住民は恐怖し、地元新聞もその話題で持ちきり。
しばらくし役所はネズミの収集と火葬を開始した。対策が取られてしばらくするとネズミの数は減っていったが、市内では高熱と首の膨張を引き起こす病により亡くなってしまう人間が出始めていた。
医師リウーはこの症状をペストであると判断し市長に直ちに対策を打つよう進言する。
しかし市が動き始めたのはペストによる死者が増加し、国からの命令を受けた後からだった。市は閉鎖され家族と離れ離れになるもの、感染を恐れるものが市内に閉じ込められることになってしまった。
この作品では登場人物がそれぞれの立場から感染症、そして市の閉鎖という状況に対して考え動いていくことになります。
主要人物6人の立場と考えを知っておくと読みやすいよ!
登場人物
〇リウー
オラン市に住む医師。
ペスト流行前に妻が別の病気療養のために市外へ出てしまっている。
ペストにかかった患者を救い、このパンデミックを根絶することを自分の医師としての役割と考えており、ペスト流行に対して奮闘し続ける。
〇タルー
リウーの友人。
市外の人間だが、オラン市のホテルにて宿泊中に市が閉鎖されてしまった。ペスト流行前から街の様子、人々の営みを記録し続けている。
市閉鎖後はリウーとともにペスト対策に奔走する傍ら記録を続け、様々な人の心情、本心を理解しようとしている。
〇ランベール
パリに住んでいた記者。
こちらも市外の人間だが仕事でオラン市に滞在中に市が閉鎖されてしまう。
パリに妻のような存在の女性がいるため、彼女のもとへ戻るために閉鎖された市を脱出しようと奔走する。
役人やリウーに掛け合うも相手にされないので、裏ルートでの脱出の方法はないかと探る。
〇グラン
市の小役人。
過去一度結婚し、離婚を経験している。近頃は新婚の頃の幸せな思い出と離婚してしまった今とのギャップに孤独を感じている。
小説を書いており、いつか世間から稀代の天才とされることを夢見ているが、中々筆は進んでいない。
市閉鎖後、ペスト対策に協力する中で生きがいを見いだしていく。
〇コタール
ペスト流行前に自殺未遂をしていたグランの隣人。
実は裏家業を営んでいる犯罪者であった。自分のやっていることが発覚し捕まることを恐れてビクビク生きてきた。
しかしペスト騒動のどさくさに紛れて捕まる恐れがなくなったのでこの騒動をありがたく思っている。
またこの裏家業のルートを使ってランベールを脱出させようとする。
〇パヌルー
市の神父。
ペスト流行を神からの罰だと断言し信者たちに悔悛を促す。
元々激しい神学論を持っていた人物で、全ての人物が罪人でありいずれ罰が下るものと主張し続けていた。
しかし終盤ある少年のペスト罹患と死を前にして考えを改めることになる。
「ペスト」で読み解くコロナショックの理由、ネタバレ
本作の重要なテーマはパヌルーが改心することになった少年の死にあります。
神父パヌルーは作中ずっとペストを神の怒りとし、罪深きものから順番に死んでいくのだと主張し続けます。
ペストに神の意思という意味を付けたのですね。
正体不明で原因不明だからこそ不安を感じている人々はこの現象に意味をつけてくれるパヌルーの意見を信じます。
人は何かの現象があるとそこに意味を求めてしまう生き物なのです。
しかし終盤パヌルーの目の前で命を落とすことになるのは無垢なる子供。
大人であれば生き残るために多少の嘘はついてきたでしょう。
他人を蹴落とすようなことも傷つけるようなこともやってきたでしょう。
しかし子供が神の怒りに触れるような悪事をおこなってきたでしょうか。
この無垢の存在の死を前にし、パヌルーはペストの流行の理由を説明できなくなってしまいます。
そして最初の説教「ペスト神の怒り説」を訂正するのです。
ペスト流行は何の前触れもなく収束を始めます。
血清が完成したわけでもない、別の治療法が見つけ出されたわけでもない、まして神に許してもらえるようなことをしたわけでもありません。
突然起こったペストの流行は突然おさまっていったのです。
カミュという作者は「不条理」というものを描き続けました。
なぜウイルスが発生したのか、なぜたまたま市内にいただけで閉じ込められないといけないのか、なぜ騒動の中で命を落とすものと生き延びる者がいるのか。
本当はここに「なぜ」なんてないのです。
世の中で起こるほとんどのことには意味などありません。
ある日突然死の病に犯されるということはどんなに健康的な生活をしている人間にも善良な人間にも起こりうるのです。
この世の中のあらゆることが無意味無作為に起こっているという考えこそ「不条理」というもの。
パヌルーはペストを神の意思と意味付けようとしましたが無垢の存在の死を前にして撤回せざるを得ませんでした。
作中活躍していたタルーも市を救うために奔走したにもかかわらず死んでしまいます。全然関係ないところでリウーの妻は騒動が終わった後に死んでしまいます。
全ては不条理の元に起こっている、人間は常にその不条理と直面しているのです。
今実際に起こっているこのコロナ騒動もいずれは収束するでしょう。
そして再発防止のための策くらいは打てるでしょう。
しかし何をしようとまた別の病が起こるかもしれません。
他の災害でもっと多くの人が犠牲になるかもしれません。
この世で起こること全てには理由なんてないのです。理由のない暴力的な事象に直面したとき、いかに振る舞うかを考える他、対策のしようはないのです。
時間のある今が「ペスト」を読むチャンス!
「ペスト」はそんな不条理に直面した多種多様な人間の活躍を描いた作品で、必ずあなたの心に刺さる人物がいるはずです。
特に今この情勢だからこそもっとリアルに感じるところもあるでしょう。
普段なら中々読めない分量の本ですが、今なら時間を作れる方が多いのではないでしょうか。チャンスです。
カミュ作の「ペスト」、読んでみてください。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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