映画「ナイロビの蜂」は実話?あらすじや海外の評判とネタバレ感想を紹介!

最近、毎日コロナウィルスのワクチンに関するニュースを見かけますね。
ワクチンが完成し、大量生産の目処がつけば、この大災禍も収束の目処がつくというもの。
世界中の誰もが心待ちにしているでしょう。

結核やエイズ、インフルエンザなど人類を脅かしてきた病気は数多く存在しますが、医学の発展によりその致死率はどんどん低くなってきました。
世界中を驚異に陥れているコロナウィルスもまた、いずれ取るに足らない病気になってしまうことでしょう。
最先端の医療が我々の生活をより安全でより快適なものに変えていっているのです。

日本テレビの深夜番組映画天国 で2020年7月28日(火)に放送される「ナイロビの蜂」。

我々が何の気兼ねもなく受けている高度な医療、もしそれが知らない場所の知らない人々の犠牲の上に成り立っているとしたらどう思いますか?
先進国で暮らす人々の健康のために、否応なく実験台にされている人々がいるとしたら?

今回ご紹介する「ナイロビの蜂」は製薬会社の陰謀を描くとともに、今の世界のあり方への強烈な疑問を投げかけた映画です。
薬の開発が重要な課題となっている今だからこそ考慮しておくべき可能性が、映画ではとてもリアルに描かれています。
必見の内容ですので、本記事を読んで興味を持ちましたらぜひ御覧ください。

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リアルすぎる内容、映画「ナイロビの蜂」は実話?

結論から言ってしまうと、映画「ナイロビの蜂」はフィクションです。
ジョン・ル・カレ作の同名の小説を映画化した作品なのです。
しかし、全くの創作ではありません。

ジョン・ル・カレは外交官を務めながら作品を書いていた作家です。
フィクションでありながら、彼が実際に体験したり、見聞きした出来事をもととしているため、リアリティにあふれています。
そして「ナイロビの蜂」もまた、実際に存在する闇をもとにした話なのです。

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ル・カレは作品の執筆に当たり、ケニアを取材したところ、そこでの製薬会社の無法ぶりに憤りを覚えたといいます。
アフリカでは製薬会社が新薬の臨床試験のため、何も知らない現地民で人体実験を行っている事実があります。
有名な例が大手製薬会社ファイザーがアフリカで行った臨床実験です。
1990年代に細菌性髄膜炎が流行した際、ナイジェリアのカノで200人の子供たちにトロバンと呼ばれる研究中の医薬品を投与したのです。

満足な医療設備もなく、教育機関もない環境で生きているアフリカの貧困層の国民は、長年製薬会社にとって都合の良い人体実験の対象として扱われてきました。
医療を提供するという名目のもとに、まだどんな副作用があるかもわからない薬を多くの現地民に投与してきたのです。
アフリカの指導者も製薬会社と共謀して、社会で最も脆弱な人々への治験を見過ごしてきました。

今年4月にもフランスの研究者ジャンポール・ミラとカミーユ・ロシェの両博士はコロナウィルスへの既存のワクチンの有効性を確認するために、まずアフリカでの臨床試験を実施すべきだと発言し、問題になりました。
衛生環境が悪く、病気が蔓延しやすいアフリカのスラムを体の良い治験場とみなす意識が未だに残っているのです。

しかし、では悪いのは製薬会社だけでしょうか。

製薬会社がアフリカの貧民を踏みにじってでも作り出した安全な新薬。
それを先進国の住人が何の気兼ねもなく摂取しているというのが真実なのではないでしょうか。
日本という安全で衛生的な国で暮らす私達も共犯なのです。

先進国の国民が自らの生活に疑問を持つことの無いよう巧妙に隠された暗い犠牲。
「ナイロビの蜂」は映画鑑賞ができるような余裕のある暮らしを送る人々に向けて、世界の暗部を掲示している作品なのです。

原題「CONSTANT GARDENER(変わらない庭師)」とは自分の庭(国や生活環境)を良い状態に保つことしか考えていない主人公、そして鑑賞者たる私達のことを指しているのではないでしょうか。

リアリティの追求のため、監督は本当にナイロビのスラムに足を運び、そこで生活する人々をハンディカムで撮影しました。
ドキュメンタリータッチで流れるスラムの様子は本物の現地民の暮らしなのです。
劣悪な医療環境も貧しいながら笑って暮らす子どもたちもすべて本物。
だからこそ実話かと疑ってしまうような真実味のある映画になっているのです。
撮影中、スタッフは現地民のために橋や貯水タンクを建設しました。
また、「コンスタント・ガーデナー(映画の原題)トラスト」という寄付団体を結成し、映画の収益と映画に共感した人からの寄付をもとにアフリカ貧困層への援助を続けているといいます。

映画「ナイロビの蜂」あらすじ

ケニアのナイロビ駐在の英国外交官ジャスティン(レイフ・ファインズ)のもとへ、妻テッサ(レイチェル・ワイズ)の訃報が届く。
数日前、ジャスティンはテッサが黒人医師のアーノルド(ユベール・クンデ)とともにロキという場所に向かうのを見送っていた。
テッサはその途上、トゥルカナ湖という場所で襲撃を受け殺害されたのだという。

二人が出会ったのはある大学での講義だった。
外交官として特別講師を務めていたジャスティンに、女学生だったテッサは

「アメリカのイラク侵略へ追従しているイギリスはアメリカの犬ですか?」

という質問を投げかけたのである。
ジャスティンはしどろもどろで答えることが出来なかった。
彼は外務省の役人として仕事をしているに過ぎず、戦争に対して個人的には何も考えたことがなかったのだ。
しかしジャスティンはその美しい質問者に恋をしてしまう。
二人はこれをきっかけに懇ろになり、付き合い始めるのであった。

付き合い始めてしばらくして、外交官の仕事の都合上ジャスティンはケニアへ移住することになる。
テッサはジャスティンに自分を連れて行ってほしいと頼み、二人で移住することになります。
現地で結婚式を挙げ、更にテッサは妊娠。二人の夫婦生活は順調なものでした。

しかしケニアへと移住してからというもの、しょっちゅうアーノルドとテッサが行動にともにするのを見ていたジャスティンは彼女の不貞を疑っていました。
そんな中、アーノルドとともに旅立った妻、そして不審死。

妻は何のためにロキへと向かっていたのか、アーノルドとはどんな関係だったのか。
テッサの死後、ジャスティンは妻が残した謎を解き明かすため、彼女の軌跡をたどり始めるです。
その中でジャスティンは妻が医師アーノルドとともに「スリービーズ」という製薬会社の闇を追っていたことを知ります。

「スリービーズ」は新型結核の世界的流行を予見しており、その際の莫大な利益のため新薬の臨床実験をケニアのスラム街で行っていました。
無償で診察をするという名目でスラムに自社の医師を送り、そこで現地民に副作用の恐れのある新薬を投与していたのです。
ケニア政府もグルで、新薬の副作用で亡くなった人たちの医療記録を抹消していました。
テッサはこの事実をレポートにまとめ、英国の外務省の上級職員ペレグリンへ提出した結果殺されていたのです。
実はペレグリンもまた「スリービーズ」、ケニア政府とつながっており彼がテッサとアーノルドの殺害を指示したのです。

外交官という立場でありながら自国とケニアと製薬会社の共謀を全く知らぬまま生活していたジャスティン。
それに対して、真実を追い続け信じる正義のために殉死したテッサ。
彼女の苦悩に耳を傾けようともせず、そしてあろうことか疑ってしまっていたことに深い後悔を感じ、妻の死後初めて涙します。

妻の暴こうとした闇を知った今、自分には何ができるのか。
ジャスティンは覚悟を決めて、この巨大な陰謀に立ち向かうことを決意するのです。

予告編はこちら

海外は映画「ナイロビの蜂」をどう見た?

公開当時、日本では純愛要素の強い映画として放映されていましたが、実際にはかなり社会的メッセージの強い作品でした。
そのギャップに戸惑ったという声もありましたが、世界の在り処の闇を描いた傑作として扱われています。

では海外ではどのような評価を受けているのでしょうか。
まずは「Rotten Tomatos」での評価を見てみましょう。
こちらのサイトでは各映画についてのプロの映画評論家、一般観客の評価をそれぞれ掲載しています。

©Rotten Tomatoes

Tomatomaster(評論家)から83%、Audience Score(一般観客)から82%の支持を受けており高評価なようですね。

では「IMBd」ではどんな評価を受けているでしょうか。
こちらのサイトはアマゾンによる映画評価サイトです。
各映画についてアマゾンならではのネットワークを活かした世界的な評価を見ることが出来ます。

©IMDb

こちらのサイトでも星7.4/10とやはり高評価。
ではどんな声が寄せられているのでしょうか。

この忘れられない映画は愛の喪失と発見の描写であなたの心に残り続けるでしょう

「ファインズ(ジャスティンを演じる役者)は役の2つの面をふつふつと怒りが湧き上がる演技によって表現し、ル・カレの意思を伝えている。すなわち第三世界を虐待する製薬会社への強烈な告発者の面と、失った妻との関係性を取り戻すために真実を探求する悲しき男やもめの面である」

「怒りを覚えるべき問題を提示しているため、私はこの映画からもどかしさを覚え、その問題はすぐに解決しないだろうから憂鬱な気持ちになった。さらに悪いことに、映画で描かれている問題は氷山の一角に過ぎないということだ。」

大変な社会問題を提示した映画であると同時に、ジャスティンの愛の物語であるという意見は多く見られました。

真実を見ようとしなかったために妻からもイギリス外務省からもケニア政府からも蚊帳の外に置かれていたジャスティン。
妻の死という悲劇により、目をそらし続けたことの代償を払うことになります。
ここで描かれる夫婦関係のディスコミュニケーションは、先進国と後進国のディスコミュニケーションを暗示しているのでしょう。
知らずしらずのうちに誰かの人権を踏みにじって生活している私達も、知らないまま行動しないままいれば、いつか強烈なしっぺ返しを食うことになるかもしれません。

隣人を愛するということはすなわち自分以外のものへ興味を持つことであり、知ることです。
監督は愛の喪失と発見の物語を通して、鑑賞者に自分の生活の外の世界へ目を向けるよう促しているのではないでしょうか。

映画「ナイロビの蜂」ネタバレ感想

妻の死の真相を知ったジャスティンは妻の従兄弟に「スリービー」の陰謀の証拠を託し、ロキへと向かいます。
新薬に関することを調べていたジャスティンはすでに命を狙われていたのです。
ジャスティンはロキにて新薬の開発者と会い、自分が生きてきた世界がどのような犠牲の上に成り立っていたのかを知ります。


絶望し一人トゥルカナ湖へと向かい、そこで妻との思い出を回想し始めます。
そこへジャスティンを殺すよう雇われた現地民が現れ、ジャスティンは撃ち殺されてしまうのです。

ジャスティンの葬式では上司のペレグリンが素知らぬ顔で参列しています。
しかしテッサの従兄弟がその場で「スリービー」と英国の共謀を告発し、スキャンダルが世間に知れ渡たることになるのです。

怒りを覚える陰謀が描かれていましたが、自分もその片棒を担いでいるかもしれないので怒ることも出来ませんでした。
問題は薬のことだけでなく、食料や争い、天然資源などあらゆる面で後進国は先進国の贅沢の割を食っています。
自分に必要なのはまずそうした世界のあり方を知ることなんだと思います。

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うろたん
うろたん

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!うろたんでした!

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