大規模な悪ふざけ企画が始まります。
今現在2020年で最もヒットしたホラー邦画「犬鳴村」の怖くないバージョンが劇場公開するというのです!
なんでも恐怖シーンに可愛い犬が登場したり、おもしろテロップが流れたりするのだとか。
最初、発見したときはYOUTUBER の企画かと思いましたが、どうやら劇場公開のようです。
今回は「犬鳴村 恐怖回避ばーじょん」に関して紹介していきたいと思います。
怖くない?映画「犬鳴村 恐怖回避ばーじょん」が上映開始!あらすじやネタバレも紹介いたします!
なんとも面白い試みですよね!
映画「犬鳴村 恐怖回避ばーじょん」そもそもなんで上映するの?
まずはこちらの動画をご覧ください。
・・・・YOUTUBERの企画かと思ったら本当にYOUTUBE感あふれる映画でした(笑)
予告編の感想を言いますとレペゼン地球っぽいなと思いましたね。
吹き出しのセンスとかが面白くて楽しみです。
YOUTUBERの動画独特の安っぽさと自由奔放さが映画で見れるって、なかなか新しい試みですよね。
そもそもどうしてホラー映画を怖くないバージョンで放映しようと思ったのでしょうか?
興行収入 13.7 億円突破、動員 100 万人超えとなり、まさかまさかの大記録を叩き出した『犬鳴村』。“悪運”が強い本作の結果に気をよくした某プロデューサーが、SNS の声を真に受け調子に乗って作っちゃった「恐怖回避ばーじょん」は、128 分の間に流れる様々な恐怖シーンに、可愛い犬が出てきたり、効果音をつけたりと恐怖を緩和させる加工が施されています。
(犬鳴村公式サイトより引用)https://www.inunaki-movie.jp/news/2020518.html
YOUTUBE感あるなと思っていたらSNSのフォロワーからの意見で始まっていたんですね。
通りで狂った企画なはずです。
この映画、元々宣伝で犬鳴村レポの動画を上げていたりしてかなりSNSでのマーケティングを意識していました。
テーマも実在の心霊スポットを取り扱っていることもあり、映画公開時かなりのYOUTUBERが犬鳴トンネルに訪れていましたよね。
製作委員会のマーケティングがガッチリYOUTUBERの企画とマッチし、さらなる話題を作り上げたのです。
残念ながら日本国内の映画評価サイト「映画.com」では星2.6という低評価を受けてしまっているものの、現代の人々の関心にマッチしたマーケティング手腕には脱帽もの。
今回の「恐怖回避ばーじょん」も企画の面白さから間違いなくSNSで話題になり、ヒットすることでしょう。
現代のビジネスに必須なSNSマーケティングの成功例と言えるのではないでしょうか。
映画「犬鳴村」のあらすじや感想、ネタバレ
それでは映画「犬鳴村」のあらすじを見てみましょう!
映画「犬鳴村」あらすじ
臨床心理士森田湊の周りでは不可解なことが連続して起きていた。
発狂してしまった女性、行方不明になった兄弟、次々と起こる変死・・・
全ての事件には「犬鳴村」が関わっているという共通点があった。
果たして「犬鳴村」には何があるというのか・・・
湊は謎を突き止めるために「犬鳴村」へと足を踏み入れるのであった。
「犬鳴村」のブルーレイは8月5日発売予定で楽天ブックスで予約受付中ですよ!特別限定版は初回のみなのでお気をつけください!↓
映画「犬鳴村」感想
監督は日本映画史に残るホラー映画「呪怨」シリーズを手掛けた清水崇さんです。
この人の映画の特徴ってコメディギリギリというか片足突っ込んでるくらいまで突き抜けた恐怖表現ですよね。
「13日の金曜日」や「エルム街の悪夢」といったスプラッタ映画がコメディに走ってしまったのに対し、「呪怨」シリーズは一貫して過剰な恐怖演出をしながら、ちゃんと怖いというのがすごいところでした。
だからこそハリウッドでも認められて、リメイク作品が作られたのかもしれません。
今回もこの過剰演出は健在のようで、後半吹き出しそうになってしまったという声も見つかりました。
そこに低評価をつけるのか、それとも清水崇さんの持ち味として楽しむのかで好き嫌いが分かれる映画だと思います。
映画「犬鳴村」ネタバレ
犬鳴トンネル近くの電話ボックスでは深夜2時に電話が鳴る。
その電話に出ると、80年前にダムに沈んだはずの犬鳴村へとワープすることができる。
ただし、犬鳴村の住人だった者と血縁関係のなければ、村から無事に戻ってくることはできない。
なんと村が沈んでいる現代のダムに溺死した状態で戻ってきてしまうのだ。
犬鳴村の血縁者だけが生きて現代に戻ってこれるのである。
そして森田湊は実は犬鳴村の血縁者であることが発覚する。
江戸時代より迫害されていた村「犬鳴村」。
少し地方へ行くと血統を理由に差別されることは今でもあるようですね。
部落の住民などが迫害の対象となっていた時代は遠い昔のように感じられて、イメージしづらいかもしれませんが確かに差別は存在します。
遠い昔話で面白半分に語り継がれている心霊スポットも元々は人が住んでいた場所。
それも多くが過去迫害を受けていた村落であることが多いのです。
そしてそこの血縁者は今でも生きている上に、すぐそばにいるということも大いにあり得ることでしょう。
ちょっとしたことがきっかけでそれに気づくと、「汚れた血」と罵倒する人たちも存在するのです。
最近でもコロナウィルス 騒動の最中、コロナウィルス が発生してしまった医療機関への心ない言葉が問題になりました。
また、地方では東京や大阪のナンバーの車への嫌がらせなどもあったと言います。
「自分と違う」ということに人はこれほどまでに不寛容なのかと思ってしまいました。
全く知らなかった自分たちのルーツを知っていくと意外なところに行き着く。
身近な人の祖先が実は自分たちの祖先を迫害していた。
そんなことを知ってしまった時、あなたはこれまで通りの付き合いをしていけますか?
因果応報、今の私たちの行動は必ずいつかの自分の子孫のところへ帰ってきます。
差別は呪いを生み、何年も蓄積されて、誰もが忘れ、差別があったことなど知らないという人ばかりになった頃に爆発します。
これまでも、これからも私たちが向き合っていかなくてはならない「闇」異なるものへの不寛容こそが本当の「犬鳴村」の呪いなのではないでしょうか。
最近のホラー邦画に見られる「心の闇」の話
個人的な考えなんですけど、最近のホラー邦画って幽霊そのものよりも恐ろしい「心の闇」みたいなものがよく描かれていると思うんですよ。
一番最初にそれを感じたのが中田秀夫監督作品「クロユリ団地」を見た時でした。
映画で主人公の女の子は毎朝家族と日常を過ごしているのですが、終盤実は家族は物語が始まる前にみんな死んでいて、主人公が見ているのは団地に住う霊が見せている幻覚だということがわかるんですね。
家族の喪失というものすごく大きな心の闇につけ込んで、主人公に憑いていたんですね。
もっと強く感じたのは中島哲也監督作品「来る」を見た時でした。
育児ノイローゼや虐待、旦那の実家との不仲、そして何より外面を取り繕った軽薄な人間性といった、表には出さない人間の闇、家族の闇(病み)が霊をどんどん強化していき、取り返しのつかないことになってしまう映画でした。
一昔前のようにフィクションとしてお化け屋敷に入る感覚で見るホラー映画というのはなりを潜め、他人事に感じられない本当に怖いホラー映画というものが作られる時代になったよう思います。
だからこそホラーにも社会問題(ワンオペ育児やSNS依存症)が組み込まれるようになり、よりリアリティのある恐怖を感じられるのです。
今回「犬鳴村」で描かれた日本の暗部「部落差別」という問題は中々イメージしづらい人も多いかもしれません。
しかし人間は誰もが差別をし得るもの、この問題と無関係の人など誰もいないのです。
「犬鳴村」でもそうした心の闇をバッチリ描いています。
過剰な恐怖表現を描きつつもリアリティのある人間の闇を描く。
だからこそ非現実的な表現や過剰な恐怖表現がたまらなく怖く感じるのではないでしょうか。
外出自粛が解除されたら「犬鳴村 恐怖回避ばーじょん」を見に行こう!
と長々ホラー映画論を語ってまいりましたが、今回はもっと肩の力を抜いて笑いに行く映画の紹介でしたね(笑)
鬱々とした日々を送っていて、暗い気持ちになることが多かったと思います。
徐々に解けていく緊急事態宣言の最中、気分を上げるために笑える映画を観にいきましょう。
バズり間違いなしの「犬鳴村 恐怖回避ばーじょん」は5月22日公開です。
みなさんお見逃しなく!
「犬鳴村」のブルーレイは8月5日発売予定で楽天ブックスで予約受付中ですよ!特別限定版は初回のみなのでお気をつけください!↓
最後まで読んでいただきありがとうございました!うろたんでした!
コメントを残す